【大相撲】土俵の屋根「吊り屋根」を徹底解説!房は神様を祭る?

大相撲の土俵の上に吊るされている「吊り屋根」。見た感じでもタダの屋根でないのは一目瞭然だと思います。特に紫色の「水引幕」や四方に垂れ下がる「房」は重要な意味を持っています。

当記事では、「吊り屋根」について詳しく解説しているので、気になる方はどうぞ寄ってってください!

「吊り屋根」とは?

「吊り屋根」とは、その名の通り吊るされた屋根のこと。本場所では両国国技館など屋内施設の土俵の上に堂々と吊るされています。TV中継でもまず見ないことはない代物です。

屋根は「神明造り」

吊り屋根の造りは、「神明造り」と呼ばれる造りで、天井の端にある突き出した2つの木々は「千木」、5つ並べて置かれた筒形の木は「堅魚木」となります。ちなみにまだ蔵前国技館で場所が行われていたときは、「堅魚木」は6本置かれていました。

水引幕

吊り屋根の特徴的な紫色の垂れ幕は、「水引幕」と呼ばれるもので、その意味は穢れをはらうためにつけられています。また、「水引幕」についた紋章は日本相撲協会の桜の「紋」です。

吊り屋根の四隅にぶら下がった「房」にもちゃんとした意味があり、房をよくよく見てみると色が違うことに気づくはずです。それらはまとめて「四房」と呼ばれ、それぞれで四季、方位、方位を守る神様を表しています。

青房(東北)…春、東、青龍

赤房(東南)…夏、南、朱雀

白房(西南)…秋、西、白虎

黒房(西北)…冬、北、玄武

「満員御礼」が垂れ下ると「大入り袋」が!?

TV中継などでも吊り屋根に「満員御礼」の垂れ幕が掛かっているとちょっとしたプレゼントが用意されており、相撲協会関係者、力士、報道関係者には「大入袋」が配られます。ちなみに中身はもっぱら10円硬貨が入っています。

誕生年は?

土俵の上に吊り屋根が吊るされるようなったのは1952年とまだ日は浅く、それ以前には土俵の四隅に柱を立てそこに屋根を立てかけていました。これに伴い、柱に吊るしてあった塩や力紙が土俵に降ろされています。

ちなみに、時代をさらにさかのぼると土俵には屋根そのものがなく、土俵も力士が取り囲む「人片屋」の中で取り行われていました。

総括

吊り屋根の「水引幕」や「房」は単なる飾りでなくきちんとした意味を持ちます。また、吊り屋根が登場したのは1952年からと結構最近のものとなります。

他にも「満員御礼」になると関係者には「大入袋」が配られるなど、吊り屋根は意外に小ネタ多い部分と言えるでしょう。