大相撲のビデオ判定は国内初!?その内容や導入の経緯とは?

2020年9月28日

今日では、スポーツでビデオ判定はもはや常識。ですが、その先陣を切ったのは古めかしいイメージの大相撲だったという事実をご存知でしたか?

当記事では、大相撲のビデオ判定の解説と、その導入のきっかけとなった、ある「誤審」について詳しく解説しています。気になった方はどうぞ寄ってってください!

大相撲の「ビデオ判定」

大相撲のビデオ判定は、主に取組で「物言い」がついたときに、勝負審判団がその判定を下す1つの指標。文字通り、ビデオで録画された取組の映像を見て、取組の結果を判断します。

ビデオは、ビデオ室なる部屋に用意されており、部屋では親方らが取組の内容を確認し、勝負審判団に連絡を取って伝えます。

ただし、大相撲の場合において、ビデオ判定はあくまでも1つの目安。

最終的には直接見た審判団の“目”に勝負の判断はゆだねられます。それというのも、ビデオの映像をもってしても判定が難しい取組が珍しくないからです。

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ビデオ判定導入は相撲が国内初

国技といわれて久しい伝統重んじる大相撲、意外たるやスポーツとして日本で初めてビデオ判定を取り入れた競技だったりします。

ビデオ判定が導入されたのは、1969年5月場所から。

野球やサッカーなどのメジャーどころのスポーツでビデオ判定の導入は2000年代であることを考えると、変な話、相撲はその50年以上も先に言っていた超最先端なスポーツだということになります。

ビデオ判定導入は「誤審」がきっかけ

ビデオ判定の導入は、1969年3月場所に起きた「誤審」がそのきっかけです。

この場所、二日目までに大鵬は45連勝という記録を残し、戸田との取組をむかえます。そして、取組では行司は戸田の右足が土俵を先に出ていたとして大鵬に軍配があがります。

ですが、物言いがついて行司差し違いで戸田に勝ち名のりが上がり、大鵬の連勝記録も途絶えることに。

大鵬の連勝記録が物言いで泡と化し、会場もさぞがっかりした空気となったことでしょう。ですが、これだけならば角界ではよくある話、問題となったのはその後。

なんと、ニュースの映像や新聞の写真では、戸田の右足が土俵を先に出ていたことがしっかりと収められていたのです。つまり、先の行司の判断が間違えておらず、物言いこそが間違いだったのです。

さらに大鵬の45連勝という記録が途絶えたともあって、抗議の電話も殺到します。

こうした経緯より、翌場所の5月場所からはビデオ判定の導入されるようなります。

つまり、角界はビデオ判定が勝敗を決める判断材料となりえることを、世間の非難を身をもって体験し、導入に至ったというわけです。

ちなみに誤審で泣いた大鵬は、後のインタビューで「ああいう相撲を取ったのが悪かったよ。別に審判部に抗議しようなんて気持ちはない。いつまでもクヨクヨしたってしょうがない」と、自分にも非があったという何とも男前な発言をしています。さすが大横綱!

総括

大相撲、実はビデオ判定以外にも、SNSを積極的に取り入れるなど、ある部分ではかなり最先端を突っ走っている部分が結構見受けられます。最近でも「どうぶつの森」の配信を行うなど、筆者も色々と驚かされます。