【大相撲】「一代年寄」とは?襲名条件など

2020年11月5日

「一代年寄」は、横綱の中でも特に優れた成績を収めた横綱が襲名できます。それゆえ通常の年寄とはまた違う特徴もあり、襲名の条件も破格です。当記事では、それらを踏まえつつ一代年寄について詳しく解説しています。気になった方はどうぞ寄ってってください!

「一代年寄」とは?例外的な年寄

「一代年寄」は、現役時代に顕著な功績を収めた横綱のみが、その襲名を許される一代限りの年寄のこと。

一代年寄は襲名条件が非常に難しく、それゆえ襲名を許された力士は過去に、大鵬、北の湖、千代の富士、貴乃花、のわずか四人の力士に留まります。うち千代の富士は固辞。

また、一代年寄は通常の年寄とはいくつかの違いが見受けられます。その違いとは、現役時代の四股名で親方として活動ができる、105家ある年寄の定員には含まれない、退職に伴う譲渡・継承は出来ない、一代年寄とは別に通常の年寄を持つことも可能、などがあげられます。

特に通常の年寄の定員には含まれず、かつ通常の年寄を別に持つことができることから、例外的な年寄といえるでしょう。

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一代年寄の明文化

一代年寄が明文化されたのは、1941年1月に横綱一代年寄制度が創設された、かなり最近になってからです。(1942年5月に一時廃止されるも1957年3月17日には復活。)

それ以前には、横綱であれば「横綱特権」なるものが与えられ、引退後には一代年寄を名乗ることができました。ちなみに横綱特権は、四股名も自由に変えることができました。ただ、それも43代横綱・吉葉山を最後に廃止され、現在の横綱一代年寄として制度化されています。

一代年寄を襲名する条件

一代年寄襲名の条件は以下の通り。

  • 横綱かつ幕内優勝を20回以上
  • 日本国籍であること

そもそもが横綱になることを前提条件にするので、難易度が高い条件であることはいうまでもなく、その中でも選ばれた横綱のみが許される、横綱中の横綱が襲名できるといったところでしょう。

あと、襲名条件に日本国籍であることもポイントの1つで、幕内を25回優勝した朝青龍は、日本国籍を取得しなかったために、その襲名には至っていません。

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総括

  • 一代年寄は、現役時代の四股名で親方として活動ができる、105家ある年寄の定員には含まれない、退職に伴う譲渡・継承は出来ない、一代年寄とは別に通常の年寄を持つことも可能などといった特徴があげられる。
  • 襲名条件は、横綱かつ幕内優勝を20回以上、日本国籍であること。

近年における一代年寄は、まだ日が浅く、現在までに4人の力士しか襲名していません。おそらく筆者が生きている間には、よくて2~3人が襲名されるといったところでしょう。どんな力士が襲名するのか楽しみです。