相撲決まり手白書 掛け手(十八手)

2019年4月16日

掛け手は、全八十二手ある決まり手のうちの十八手。バリエーション豊富で、珍しい決まり手もたくさんあります。

当記事では、掛け手十八手について詳しく説明しているので、気になる方はどうぞ寄ってってください!

掛け手(十八手)

以下、全十八手の掛け手を一挙紹介します。それぞれの違いと特徴をしっかりと押さえましょう。

内掛け

四つの状態から、自分の片方の足を相手の足の内側に掛けてバランスを崩し、寄りかかるようにして仰向けに倒す決まり手。自分の右(左)足なら相手の左(右)足の内側に掛ける。舞の海、智ノ花、海鵬といった小兵力士も得意とすることが多く、1994年11月場所で、舞の海が当時最重量だった小錦を破った際の決まり手でもある。

外掛け

四つの状態から、自分の片足を相手の足の外側に掛け、相手を引き寄せながら、そのまま寄りかかるようして仰向けに倒す決まり手。相手が吊りや投げの返し技でもあり、足が伸びきった際、より足首に近い位置に掛けると綺麗に決まりやすい。
1939年1月場所、破竹の69連勝を記録していた横綱・双葉山が前頭の安藝ノ海節男に敗れたときの決まり手。

ちょん掛け

ちょん掛けは左四つなら、相手の差し手を引き込みながら、相手の左足首の内側に自分の左足をかけて、捻りながら倒す。右四つなら全てが対称となる。元々は、手斧(ちょうな)をかける仕草に似ていることから「手斧掛け」と呼ばれていた。

切り返し

自分の膝の内側に相手の膝の外側を乗せて、足は土俵についたまま相手を後ろ向きにねじり倒す決まり手。足を土俵から離して、相手の膝の外側に掛けて倒すと「外掛け」となる。「下手投げ」や「打ちかけ」の返し技。

 
1994年7月場所、前頭だった舞の海が大関・貴ノ花を下した際も決まり手は切り返しだった。

河津掛け

河津掛けは、数年に1度見られるかどうかという稀な技。腕を外の首に巻きつけた状態から、相手の内股に片方の足を掛けてから跳ね上げ、そのまま後ろに倒す。「外掛け」や「切り返し」などの返し技としても知られる。

 
1996年初場所の優勝決定戦において、貴ノ浪が横綱・貴乃花に対して炸裂した決まり手としても有名。この勝利により、貴ノ浪は、自身初となる幕内優勝を飾った。

蹴返し

左右どちらかの足の甲で、相手のくるぶしあたりを払うように蹴って態勢を崩し、そのまま一気に叩き落とす決まり手。四つに組んだ状態や頭を付け合っているときによく見られる。

蹴手繰り

立ち合いと同時に繰り出される決まり手。身体を斜めに開いた状態から、足の甲で相手の足の内側を蹴って態勢を崩し、そのまま相手の腕を手繰る、あるいは肩をはたいて相手を前のめりに倒す。決まると一瞬で勝負が決まる。

三所攻め

その名の通り、相手の左右の両足、胸ぐらの3所を同時に攻めて倒す決まり手。相手のどちらか片方の足を内掛けもしくは外掛けで掛けると同時に、残った足を手に掛けすくい上げ、そのまま頭で相手の胸を押して、仰向けに土俵に押し倒す。

 
滅多に見られない幻の決まり手でもあり、近年では小兵の舞の海が2回決めた力士として有名。特に1991年11月場所11日目の曙戦は、決まり手こそ内掛けだったが、曙相手に三所を攻めたシーンがTVなどでよく取り上げられる。

渡し込み

相手の腿あるいは膝の外側を腕で抱えながら、もう片方の手で相手の胸を押しながら、押し倒す決まり手。立ち合いと同時に決まると“大渡し”とも呼ばれることも。

二枚蹴り

組んだ状態より、相手の足首から膝(二枚)の外側を蹴りながら、腰を捻って倒す技決まり手。難易度が高く、幕内ではめったに見られない。横綱・栃錦が得意とした技でも有名。

小股すくい

出し投げを打った際、相手が踏み出した足の内側をすくって、そのまま土俵の外に出すか、仰向けに倒す技。頭で胸を押すと効果が増す。
 
※出し投げ…四つの状態から、片方の足を大きく引きながら体を開き、相手が前のめりにひきずるように投げる。

外小股

組んだ状態から投げを打ち、相手が残そうと前に出た足を外側からすくって抱え、そのまま土俵に出すか、倒す技。内ですくうか外ですくうかが、小股すくいとの違い。

大股

出し投げを打った際に、小股すくいなどを警戒し、前に踏み出した遠い方の足をすくい、足の内側から投げ入れる決まり手。幕内では、1958年以降出ていない、まさに幻の技。

褄取り

組んだ状態から出し投げを打ち、前につんのめって後ろに流れた、相手力士の足のつま先を掴み上げて倒す技。“褄”とは、着物の裾(すそ)の両端部分を指し、ここではつま先を意味する。

 
幕内では唯一、2000年3月場所に行われた曙対土佐ノ海で、曙が決めている。

小褄取り

組んだ状態から相手を揺さぶり、泳いで流れた足の足首をつかんで倒す技。つかむ場所が、つま先か足首かが褄取りとの違いとなる。
 
2001年1月場所より制定された決まり手で、幕内では2001年3月場所初日で千代天山が雅山相手に初めて決めている。

足取り

相手の懐に潜り込み、相手の片足を両手で抱え込んで仰向けに倒す、もしくは土俵外へ出す決まり手。小兵が得意とする場合が多い。

裾取り

相手が投げを打って出た際にこらえて、下手の差し手で相手の足首(裾)をつかんで投げる決まり手。柔道でいうところの「出足払」。

裾払い

「出し投げ」あるいは「引っ掛け」を打ち、相手がこらえようとして前に出た足の足首あたりを、後ろから蹴り払って倒す決まり手。

まとめ

数ある掛け手の中でも、めったにお目にかからない決まり手は、河津掛け、三所攻め、大股、二枚蹴り、小褄取り、褄取りの6つとなります。幕内にこだわらず様々な段の取組を観戦すれば意外に早く目にすることができるかも!?

参考文献:『大相撲手帳 [ 杉山 邦博 ]』