相撲決まり手白書 投げ手(十三手)

全十三手ある投げ手は、投げ方によって様々なバリエーションがあります。特に見ていて痛快な気分になる豪快な技が多いのが特徴です。ポピュラーな上手投げや下手投げはもちろん、その他の投げ手を覚えてこそ“通”といえるでしょう。


投げ手 十三手

全八十二手の決まり手のうち、十三手となる「投げ手」についての紹介となります。

上手投げ

上手にとった廻しを掴んで投げる上手投げは、取組で最も決まる投げ手。また、投げた相手が倒れようが倒れまいが、土俵を割れば決まり手は上手投げとなる。

*上手とは、互いに組んだときに、相手の腕より上にかぶさっている手のこと。逆に相手の脇の下に腕があれば下手となる。

下手投げ

上手投げとは逆に、下手廻しを掴んで投げたら下手投げとなる。また、投げて土俵を割れば決まり手は下手投げとなるのは上手投げ同様。

小手投げ

上手の廻しを掴まずに、相手の下手を抱えるようして、下に向けて投げる決まり手が小手投げ。小手とは、腕の手首から肘の部分を指す。一発逆転を狙う決まり手でもある。第34代横綱・男女ノ川登三が得意とした。

すくい投げ

すくい投げは、小手投げと同じく廻しを掴んでいない下手を、相手の脇に引っ掛けてちょうどすくい上げるように投げる決まり手。手堅い相撲を取りたいときに重宝され、上手く決まると相手は体が半回転して倒れる。大横綱・大鵬も、左の差し手からのすくい投げが非常に上手かった。

上手出し投げ

上手出し投げは、腕上手廻しをとった腕を締め、相手の差し手を挟んだ状態から、体を開きながら相手を引きずりだすように投げる。上手投げとは異なり、決まると相手は土俵に這うように倒れる。

下手出し投げ

下手廻しを取った腕を締め、足を引きながら体を開いて相手を前に出すように投げると下手投げ。上手出し投げ同様、決まると相手は土俵に這いように倒れる。

腰投げ

腰投げは、相手の懐に入ったまま重心を落とし、体を捻りながら自らの腰に相手に乗せてそのまま投げる決まり手。廻しは持っても持たなくともよい。非常に珍しい決まり手の1つ。平成28年夏場所には、宇良が出羽疾風相手に決め、十両としては実に6年ぶりの決まり手として話題になった。

首投げ

文字通り、相手の首を自分の腕で巻き込むようにして投げる決り手。起死回生の捨て身の大技であるともに、そのリスクゆえあまり褒められた決まり手でもない。近年だと豪栄道の首投げが多いことで有名。

一本背負い

相手のどちらかの腕(小手)を両手で抱え込み、柔道同様に相手を背負うようにして前に投げる豪快な決まり手。相撲では数年に1度決まるかどうかというほど非常に珍しい決まり手でもある。豪風が幕内唯一複数回一本背負いを決めている力士で、2017年初場所にも魁聖相手に一本背負いを決めている。

二丁投げ

四つの状態から、相手の膝の外側に足を掛けて、払うように投げる決まり手。ちょうど柔道でいう「払腰」と重なる。「二丁」とは二本の足を指す。

櫓(やぐら)投げ


相手の廻しを引き付けた四つの状態から、膝を相手の内股に入れると同時に、モモで相手を支える様にしてそのまま振り上げて投げる決まり手。めったにみられない大技で、2011年11月場所に隠岐の海相手の白鵬が、幕内では実に6年ぶりとなる櫓投げを決めた。

掛け投げ

四つの状態から、相手の内股に掛けた片足を高く上げて投げる決まり手。何度も足を跳ね上げることから「けんけん」とも。また、外掛けの返し技でもある。24代横綱・鳳が得意とした技でもあり、「ケンケン」とそのままあだ名が付けられた。

つかみ投げ

深くとった上手から、相手が浮くほどに持ち上げて、自分の背後に放り投げる技。よほどの体格差か腕力を要さないと成立しない大技で、2012年大相撲トーナメントで唯一白鵬が隆の山に決めた。ただ、それも櫓(やぐら)投げだったのが実際のところで、平成以降は事実上1度も決まったことがないまさに幻の決まり手といえよう。

まとめ

投げ手は、手の位置や足の掛け方によって技のバリエーションが変わります。また、一本背負い、櫓投げ、つかみ投げといっためったに見られない技も多いのも特徴といえます。

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