“柏鵬時代”柏戸対大鵬 名勝負7番!


“柏鵬時代”と呼ばれる1960年代の角界は、柏戸と大鵬二人の横綱がライバルとして熱戦を繰り広げ多くのファンを魅了しました。ここでは、筆者の選んだ柏戸対大鵬の名勝負7番を紹介していますので、興味のある方はどうぞ寄ってください。


柏戸のプロフィール

Kashiwado 1961 Scan10007
出典:Wikimedia Commons

四股名:柏戸 剛
最高位:第47代横綱
身長:188cm
体重:143kg
所属部屋:伊勢ノ海部屋
幕内優勝回数:5回

現役時代は、立ち合いからまっすぐに突っ込むといった直接的な取組を持ち味とした柏戸。その豪快さゆえに男性ファンが多く、しばしば「大洋・柏戸・水割り」とも言われていた。

幼少期は、運動神経抜群で、あらゆるスポーツにおいて目立った活躍を見せていた。そして、相撲部屋入門した当初も、話題の力士として常に注目を浴び、初土俵からわずか3年後の1957年11月に十両、翌年1958年9月場所には新入幕を果たし、評判に違わず順調に出世した。横綱には大鵬とともに1961年(昭和36)9月場所に昇進。“柏鵬時代”の幕開けとなった。

記録のうえでは、大鵬の幕内優勝回数32回と比べて、どうしても見劣りする感が否めない柏戸だが、現役時代は大鵬最大のライバルとして幾度もの名勝負を披露している。

大鵬のプロフィール

Taiho Kōki 1961 Scan10008-2
出典:Wikimedia Commons

四股名:大鵬 幸喜
最高位:第48代横綱
身長:187cm
体重:153㎏
所属部屋:二所ノ関部屋
幕内優勝回数:32回

「巨人・大鵬・玉子焼き」とはよく言ったもので、高度成長期にあたる1960年代に流行したこの言葉は多くの子供たちの決まり文句となった。大鵬こそがその時代のヒーローだったのは誰もが否定できない事実だ。加えてウクライナ人の父をもつ大鵬は、まるで漫画から出てきたような美男子だったため、多くの女性ファンがいたことも想像に難しくないだろう。

1961年9月場所に2場所連続優勝を果たし、柏戸とともに横綱となった大鵬。横綱に出世以降は、抜群の安定感を誇り、他を寄せ付けない圧倒的な強さを披露した。後に登場する大横綱・白鵬に破られたものの、幕内優勝回数32回という大記録が、大鵬のその強さを如実に物語っている。現在においても歴代最強の横綱と最有力候補によくあげられる。

柏鵬生涯戦績

全37戦うち柏戸16勝、大鵬21勝

両者初顔合わせは、1960年(昭和35年年)1月場所12日目。下手投げで柏戸が白星もものにしている。

柏鵬名勝負7番!

ライバルとして幾度なく激突してきた柏戸と大鵬。その取組のなかで、記憶に残る名勝負7番をご紹介します。

1.1960年(昭和35)1月場所12日目

記念すべき柏戸と大鵬の初顔合わせ。当時は両者ともにまだ横綱ではなく、柏戸が小結、大鵬が平幕(前頭十三)だった。若干19歳の大鵬は、柏戸との取組まで土つかずの無敗と、絶好調で柏戸との一番を迎えた。

両者の取組は大相撲となり、非常に見応えある取組となった。特に途中の寄り合いは、観客を大いに沸かせた。最後は番付で勝る柏戸が意地を見せて、下手出し投げで大鵬を土に這わせ白星。その激闘は、新たな時代の訪れを予感させた取組だったともいえるだろう。

2・3.1961年(昭和36)9月場所14日目および優勝決定戦

14日を迎えるまでに大鵬11勝、柏戸10勝と大鵬が1勝勝ち越すかたちで迎えた1番。大鵬の優勝を阻止すべく柏戸は気合い十分で取組に臨んだ。

取組は、右四つから柏戸が大鵬を土俵際に追い詰める。柏戸はそのまま上手投げ、大鵬も懸命にすくい投げを試みほぼ同時に土俵の外へ。かなりの僅差ながら軍配は柏戸に。そして、千秋楽では柏戸、白鵬ともに白星をあげそのまま優勝決定戦へと進んだ。

優勝決定戦では、14日目と同様に柏戸は右のど輪を決めるなど気迫のこもった取組を見せる。しかし、大鵬が必至にこらえ最後はうっちゃりで逆転勝利。

この取組後、柏戸と大鵬ともに横綱へと昇進。柏鵬時代到来を決定づけた場所となった。

4.1963年(昭和38)9月場所千秋楽

柏戸が初めて全勝優勝を果たした場所。最後、千秋楽に壁として立ちはだかったのはやはり大鵬。大鵬も同じく千秋楽までに土つかずの無敗としており、白星を収めたほうが優勝という、これ以上にない全勝対決とした。

取組は立ち合いすぐ左の上手をとった柏戸がそのまま右を差して寄り切って大鵬を下した。これにより柏戸は約2年ぶりに2度目の優勝を飾った。横綱になって以降1度も優勝がなかった柏戸にとっては、まさに悲願を遂げた瞬間だった。

5.1966年(昭和41)3月場所千秋楽

立ち合いから柏戸は一気に攻め立てて持ち味を存分に発揮するも、大鵬が脅威の粘りを見せて土俵際で見事うっちゃりを決めて大逆転勝利。わずかな時間ながらも非常に見応えのある一番となった。また、大鵬はこの場所で19度目の優勝を飾っている。

6・7.1966年(昭和41)9月場所千秋楽および優勝決定戦

柏戸と大鵬の2度目の優勝決定戦を迎えた場所。千秋楽までに大鵬1敗、柏戸2敗と、大鵬が勝利すると優勝が決定する一番としていた。

本割では、左四つの態勢から柏戸の右の外掛けが功を奏し、バランスを崩した大鵬がそのまま土俵外に倒れて見事勝利を収めた。

続く優勝決定戦では、柏戸が勢いよく突っ込むも大鵬の上手出し投げをくらい、あっけなく撃沈。大鵬は22回目の優勝を飾った。

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