北の湖対輪島~計3分の水入り大相撲~(1978年7月場所)


 北の湖と輪島との取組は、水入りになったものが何度かあり、1978年7月場所で取組もそのうちの一つ。場所中は、ともに負けることなく全勝のまま14日目で顔を合わせることになった。事実上の優勝決定戦だった両者の取組は、3分を超える水入り相撲となり、観客を大いに沸かせた。北の湖5連覇の中でも特に際立つ名勝負である。

1978年7月場所あらまし

 1978年は、北の湖の“一人相撲”だったといっても過言ではない。この年に入ってからの北の湖は絶好調で、7月場所を迎えるまでの1、2、3月全ての場所を優勝していた。対する横綱・輪島は、昨年の九州場所に北の湖の相星戦を制して優勝するも、3月場所には膝を痛めてしまい、先場所も9勝6敗として、振るわない成績を収めていた。

7月場所は、大関・若三杉が横綱へと昇進して初めて臨んだ場所でもあった。また、四股名もこのときから若乃花へと改めている。久方の三横綱となった同時に、北の湖の4連覇、あるいは誰が北の湖を止めるのかに注目が集まった場所だったといえよう。

輪湖止まらず、13日目まで負けなし

 初日、新横綱になったばかりの若乃花が、富士櫻に敗れるといった波乱を起こした。それを尻目に北の湖、輪島の「輪湖」2人は、負けることなく中日を終えている。

平幕の高見山も中日までに7勝1敗と好成績を収めているが、10日目の出羽花との取組で黒星を喫して、その後も3敗した。また、若乃花も先の1敗だけで中日を迎えるも9日目の琴風に敗れている。

結局、13日目まで負けなしだった北の湖と輪島で優勝を争うかたちになった。そして、14日目に両者の取組が組まれ決着を決めることとなった。

2度目の水入り

 事実上の優勝決定戦だった両者の取組は、水入り3分以上にも及ぶ熱戦となった。

 立ち合いでは、輪島がやや右に回ながら左下手を取るも、北の湖もすぐに応戦して、そのまま左四つの態勢。すぐに輪島が土俵外にむけて左下手投げを試みようとするも北の湖はびくともせずに土俵中央へ。その後も、輪島が何度か左の差し手で投げようとするも、やはり北の湖は動じず。左四つの大相撲となり、2分52秒で水入り。取組が再開されるや否や、今度は北の湖が右の上手で輪島を振り回す。これを輪島は何とかこらえ、再び元の態勢。最後は、北の湖が強烈ながぶりをみせて、土俵際で粘る輪島を寄り切った。

 この3分以上にも及ぶ激闘を制した北の湖は、千秋楽でも若乃花を下して全勝優勝した。北の湖は翌9月場所でも優勝して5連覇を達成しているが、その中でも最も印象に残る取組だった。

1978年7月場所:横綱・北の湖15勝全勝(優勝)































同場所:横綱・輪島14勝1敗
































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