数字で「小兵」を考える!意味についても



 昨年2016年の角界は、宇良や石浦といった小兵力士が場所を大いに賑わせていた。そして現在も、メディアが「小兵」の力士たちを大々的に取り上げている。

 なにもこれは現在に限ったことではない。解説の舞の海然り、技の豊富さやそのスピードを活かして、 小よく大を制しする小兵力士は観衆を常に魅了し続けてきた。このように大きな魅力を持つ小兵力士たちであるが、筆者は「小兵」、「小兵」とはよく言うけど具体的には「小兵」って一体何だろう?とふと疑問を持ったので、今回は数字をもとに簡単に調べてみた。

 普段、我々が生活する上で、力士以外を指して「小兵」という言葉を使用する機会はあまりないと思う。「小兵」とは文字通り「小」さい「兵」を指しており、その語源は戦の兵を表していることに想像は難しくないはずである。語義的な意味が正しいかどうかはさて置き、「小兵」が「小さい人」のことを表していることは間違いない。


数字でみる「小兵」

 現在、幕内力士の平均身長は184.8cm、体重164.3kgである。もし力士を「小さい人」である「小兵」と呼ぶのであれば、当然ながらこの平均よりも下でなければならない。ただ、この平均数値を下回ったからといって、その力士を即座に「小兵」と決めつけるのは良くない。例えば平均よりも少し下の身長180cm体重155kgの力士がいたとしても、その力士は僅かに平均よりも下なだけであって、「小柄」と呼べても「小兵」とは呼べない。

 つまり「小兵」とは「小柄」な力士よりもさらに小さい力士であり、「小兵」を「小柄」と呼べても、反対の「小柄」な力士を必ずしも「小兵」と呼ぶことは出来ないのだ。ゆえに「小兵」≦「小柄」が成り立つ関係である。この考えをもとに、先の平均身長・体重からより具体的に「小兵」の力士について考察してみる。

 初めに現在幕内で活躍する平均身長184.8cm、体重164.3kgをどちらとも下回る力士を列挙してみる。

184.8cm、164.3kg未満の力士たち(2017年1月4日付)
豪栄道、正代、御嶽海、松鳳山、遠藤、豪風、嘉風、千代翔馬、北勝富士、千代の国、石浦、貴ノ岩、大翔丸、千代皇、佐田の海

 幕内力士で先に当てはまる総勢15人の力士を挙げてみた。そして、先の「小兵」の定義にのっとり、ここからさらに小さい力士について考えていく。

 現在、角界で「小兵」と聞いて真っ先に上がる力士といえば、列挙された中にもいる嘉風や石浦であろう。嘉風は身長176cm・体重145kgと平均を大きく下回り、幕内最軽量の石浦にもなると身長173cm・体重114kgで嘉風をさらに下回る。

 ちなみに解説でお馴染みの舞の海に至っては、現役時代は身長171cm・体重101kgの体格の持ち主。この力士を「小兵」と呼ばずして何と呼ぶといった次第である。

 「小兵」と呼ばれる3人の力士を考えるに「小兵」の身長は180cmよりも下であることはまず間違いない。そして、先の三人の中で最も身長の大きい嘉風が176cmであるから、176cmを下回る力士は「小兵」分類分けされても全く問題なさそうである。対して体重だと150kg台であれば「小兵」と呼ぶ人もいれば、そうでない人もいる。どうやら150kgがある種の境界線となっており、このラインを下回ればほぼ間違いなく小兵と呼べそうである。

 ここから身長176cm以下・体重150kg未満が「小兵」の大体の目安となってくる。もちろんこれに当てはまらない力士の中でも「小兵」とされる力士は存在しており、あくまで参考程度に考えてもらいたい。

 最後に先に力士の中から、身長176cm以下の力士と、体重150kg以下の力士とさらに細かく分類してみる。(嘉風、石浦は除く)
身長176cm以下
豪風(171cm・150kg)、大翔丸(173cm、151kg)
体重150kg未満
松鳳山(177cm・138kg)、千代翔馬(183cm・132kg)、千代の国(182cm・140kg)、貴ノ岩(181cm・148kg)、佐田の海(183cm、145kg)

 結果、両方に分類された力士はいなかった。身長176cm以下のグループには豪風、大翔丸がおり、体重もほぼ150kgなのでともに「小兵」と問題なく呼べそうだ。一方、体重150kg未満の力士だと、唯一「小兵」と呼べそうなのが松鳳山くらいで、残りの力士は身長180cm以上を超えているので、「小兵」とするのは少し難しいかもしれない。

 やはり数字から見ても「小兵」力士は、多くはいないことが分かった。ゆえに「小兵」が活躍すれば目立ち、観衆もまた沸くのも納得である。


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