「雲竜型」と「不知火型」って何?


 「雲竜型」、「不知火(しらぬい)型」とは、横綱土俵入りの際に行われる所作のことです。それぞれに意味があり、取組前に必ず行われる大切な儀式です。ここでは、横綱土俵入りの起源および型の意味について説明しているので、興味のある方はどうぞ寄ってって下さい。

そもそも横綱土俵入りって何?

 横綱土俵入りの際は、「雲竜型」か「不知火型」のいずれかの所作が行われますが、その起源はおよそ200年前ごろとされています。

 『大相撲手帳』(東京書籍)によると「日本では古来から、新しく建物を建てる時に、その土地に綱を張り、地面を踏みして邪気を払う。」とあります。ここから横綱土俵入りへと繋がっていくのですが、元来の意味からすると土俵入りの所作は、“邪気払い”ということになります。

 続けざまに「四股には、邪悪なものを踏みつけて封じ込める意味がある」ので、江戸時代になると「徳川将軍への上覧相撲の際にも取り入れられるようになった。」と、そのルーツを述べています。そして、ちょうどこの時期に横綱の地位も誕生しています。

 その後暫くして「露払い」、「太刀持ち」も従えて横綱は土俵入りするようになります。

雲竜型

 「雲竜型」は、「せり上がり」の際に左手を脇腹あたりにそえて、右手を外に向かって伸ばす「守り」を意味する型です。

 「雲竜型」は、江戸末期に活躍した第10代横綱・雲竜が始まりとされています。ですが、所作そのものは、第20代横綱・梅ケ谷のほうが現在により近いものとなっており、これが基本とされています。(雲竜がどのような所作をしていたかは不明。)

 昭和以降を辿ってみても、この「雲竜型」を選択している横綱が圧倒的に多いです。過去には栃錦、北の湖、貴乃花、朝青龍といった具合にそうそうたる面子が並びます。

 現役だと鶴竜が「雲竜型」で、つい先日横綱になった稀勢の里もまた「雲竜型」を選択して話題となりました。

不知火型

 「不知火型」は、雲竜型とは反対に、「せり上がり」の際に両方の手を広げ「攻め」を意味する型です。

 「不知火型」は、雲竜と同じく江戸末期に活躍した第11代横綱・不知火が始まりとされています。

 「不知火型を選んだ横綱は短命」というジンクスもあったことから、「不知火型」の横綱は旭富士、双羽黒、若乃花(3代目)と今までに10人程度とごく一部です。事実、昭和以降に横綱になって「不知火型」を選んだ力士は、ほぼ3年以内に引退しています。

 ですが、御存じのように横綱・白鵬が見事にそのジンクスを破っています。また、現役には白鵬以外にも日馬富士が「不知火型」です。日馬富士は2012年11月に横綱になっているので、こちらも5年以上横綱なので十分ジンクスを破ったといえるでしょう。

 今後は「不知火型」の力士も増えるかもしれません。

引用・参考文献
杉山邦博『大相撲手帳』


コメント