栃錦対若乃花~史上初の14勝全勝対決~(1960年3月場所)


 時代を築いた栃錦と若乃花とのライバル対決は、常に白熱した取組とで見るものを熱くさせてきた。その栃錦対若乃花の最後の対決が1960年3月場所だ。この場所、栃錦と若乃花は千秋楽までに史上初となる14勝相星全勝対決とした。最後は歴史に残る名勝負を繰り広げて、時代の終止符としている。

1960年3月場所あらまし

 1950年代後半が栃若時代と称させるように、終始ライバルとして時代を席巻してきた栃錦と若乃花。いくたに渡って繰り広げられた両者の激突は、名勝負として今なお語り継がれている。

 1960年3月場所は、そんな二人が最後に相まみえることになった場所だ。ゆえに3月場所は、一時代の終わりを告げる場所といっても過言ではない。

 時代を築いたライバル同士の最後の対決だけあって、3月場所千秋楽での栃錦対若乃花は、史上初となる横綱同士の14勝全勝相星対決となり、歴史残る大一番となった。

 ちなみに横綱には栃錦、若乃花の他にも朝汐がおり、先場所に栃錦が10度目の優勝を飾っている。

史上初の14勝全勝対決!

 3月場所は、横綱・朝汐が初日から黒星を喫している。朝汐は、その後も調子が上がらず8日目を終えた頃に4勝5敗として翌9日目に休場している。

結局、7日目までに全勝した力士は栃錦、若乃花、それと関脇・北葉山だけである。だが、その北葉山も中日以降に連敗を喫しまい、場所後半になると完全に残った栃錦と若乃花との優勝争いとなった。

 そして、場所後半を過ぎても栃錦、若乃花ともに星を取りこぼすことはなく、そのまま史上初14勝横綱相星対決となって千秋楽を迎えた。

 取組は、立ち合いから両者勢いよくぶつかるも、そのまま左四つとなって膠着状態となる。そして、先に仕掛けた若乃花が一気に栃錦を土俵際まで寄り立てるも、若乃花は吊り立って何とかこらえて再び土俵中央で同じ態勢に。その後しばらくして、栃錦が左で若乃花の上手を切ろうとするも、切れずに若乃花がそのまま寄り切って勝ち星名乗りを上げ、そのまま全勝優勝を決めた。

 ちなみにこの場所を終えて、栃錦と若乃花との対戦戦績は、栃錦19勝、若乃花15勝となり生涯戦績では、結局、栃錦が勝ち越しを決めている。

 翌5月場所に栃錦が3日目以降に途中休場して引退したことからも、最後となるこのライバル対決は、まさに栃若時代の締めくくりに相応しい大一番だったといえる。

関連作品
「大相撲名力士風雲録 6―月刊DVDマガジン 初代若乃花 (ベースボール・マガジン社分冊百科シリーズ)」

1960年3月場所:張出横綱・若乃花15勝0敗(優勝)































同場所:横綱・栃錦14勝0敗
































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